無農薬と農薬不使用の違いとは!?
昨今の健康志向の高まりから、体によい食材を求める消費者が年々増えており、
商品選定で、まず、気にする点は農薬を使っているか?
それとも使っていないか?という点です。
そこで、大切なのが食品表示の確認です。
体によい食材の代名詞に『無農薬』というキーワードがあります。
もう一方で、『農薬不使用』というキーワードも存在します。
でも、この二つの違いってナニ!?って思いますよね。
今回は、その二つのキーワードについて、
特徴 や違い、そして選び方を解説していきます。
お客様の声はこちらから!
『農薬』、『無農薬』、『農薬不使用』のそれぞれの定義について
・農薬の定義は?
「農薬」の定義は法律で定められています。 農薬取締法では、農作物の病害虫の防除に用いる殺菌剤、殺虫剤、除草剤その他の薬剤及び農作物の生理機能の増進又は抑制に用いる成長促進剤、発芽抑制剤その他の薬剤を農薬と定義しています。 その他の薬剤として誘引剤、忌避剤、展着剤などがあります。
・無農薬の定義は?
無農薬とは、農薬の薬効成分を農作物に散布していないこと、また残留していないことを意味します。
・農薬不使用の定義は?
作物の栽培期間中に、農薬(農薬取締法より)を使用していないことを意味します。
※栽培期間中とは、前作の収穫時期から街頭の収穫・調整までの期間を言います。
栽培期間中に関する図表(特別栽培農産物に係る表示ガイドラインより 抜粋)
さらに深掘り! 『無農薬』のキーワードの扱いについて、農林水産省ガイドラインでは?
無農薬というキーワードを取り扱うにあたり、農林水産省では『特別栽培農産物に係る表示ガイドライン』(平成15年の改正)にて、
以下のように明記されています。
消費者からの「『無農薬』の表示は残留農薬がない との誤解を与える」、「『減農薬』の定義が曖昧で分かりにくい」といった意見を踏まえ、
『無農薬栽培農薬』、『無化学肥料栽培農産物』『減農薬栽培農産物』、『減 化学肥料栽培農産物』等の表示が表示禁止事項とされるとともに、
化学合成農薬(今回 改正では節減対象農薬に)及び化学肥料の節減状況について、
節減割合、節減の比較基 準及び節減対象(使用回数、窒素成分)の3点を明示(使用していない場合は「栽培期 間中不使用」と表示)することとされました。
簡単に言うと、 『無農薬』と言って販売してはいけないということです。
農薬を使用せずに栽培した農産物は『農薬不使用』と明記するようにガイドラインでは勧告しています。
特別栽培農産物に係る表示ガイドライン
たんぼや市河十三代の農薬不使用のお米はこちら↓
では、どうしてネット上で『無農薬』と言って販売されているのか?
理由は2つあります。
一つは、販売者がこの農林水産省のガイドラインの存在を知らないということが考えられます。
私も直売を始めたころ、この手の情報を知らなくて他者から指摘を受けたことがありました。
もう一つは、一般的に多くの消費者が“農薬が散布されていない農産物=『無農薬』”というキーワードにつながるため、
検索エンジンで『無農薬』というキーワードをよく使います。
そのため、販売者もその消費者行動を理解し、ガイドラインの存在も知りつつも、ネットの検索エンジンに高い確率でヒットするよう、
『無農薬』というキーワードをあえて使って、商品のネーミングをしているためです。
販売者の多くは後者の理由で『無農薬』を使われている方が多いのではないかと思われます。
無農薬と農薬不使用では実際に農作物にどのような違いが生じるのか?
無農薬と農薬不使用では農法として基本的に違いはありません。
栽培期間中に農薬を使用しないということですから。
しかし、1点注意する点があります。
それは、農薬を使わない栽培を始めて何年経ったか?ということです。
昨年まで、農薬を使っていた圃場で、今年から農薬不使用とした場合、昨年使った農薬が残留している可能性があります。
ですから、農薬不使用の農法に切り替えてから残留農薬がなくなるまで、ある一定期間が必要と言われています。
おおよそ3年ほどで、圃場の性質が変わると言われており、
当家の経験でも農薬不使用に切り替えてから、たんぼ内に小動物が増えた経験があります。
また、化成肥料から、緑肥栽培に切り替えて3年ほどたつと緑肥の成長が盛んになった経験もありました。
消費者が無農薬栽培の農作物を選ぶにはどうしたらよいか?
1.販売者(農業者)がSNS等で発信している作業状況があるか確認する。
Facebookや、インスタグラム、YouTubeなどで作業報告などをあげて、農作物の生産過程を提示しているか?
また、自社Webサイトなどで栽培理念、採用している農法などの紹介があるか調べてみるといいでしょう。
農薬を使わない農法(無農薬)は、農薬を使う農法(慣行農法)に比べて、作業工程が煩雑で、しっかりとした栽培哲学や知識、手法を会得していないと作物を育てることができません。
定期的に更新される栽培過程や、Webサイトに掲示されているコンテンツから、その販売者(農業者)の力量が判断できるかもしれません。
2.販売者(農業者)が第3者機関にて、残留農薬のチェックをしているか確認する。
残留農薬について科学的な検査をしてみないとわかりません。
よって、最終的には第3者の検査機関にて、残留農薬がないこと証明されているか?ということが大切です。
まとめ:無農薬と農薬不使用の違いを理解できたでしょうか?
1. 無農薬とは農薬の薬効成分が残留していない事を意味し、
農薬不使用は農薬を農産物に対して散布していない事を表現している。
2. 無農薬というキーワードを使っての農産物の販売は、
原則禁止されている(『特別栽培農産物に係る表示ガイドライン』(平成15年の改正))。
3. 無農薬栽培で作られた農作物は『栽培期間中農薬不使用』と明記しなければならない。
4. 『無農薬』という触れ込みでネット販売されている農産物は、消費者が残留農薬のない農産物を購入しようとしたとき、
『無農薬』というキーワードを使って検索するため、より高い確率で検索エンジンにヒットさせるため、
販売者が商品ページに明記している現状がある。
5. 無農薬農産物を求める消費者の関心は、残留農薬がない安全安心な農産物を欲している。
6. 販売者は消費者が残留農薬のない商品を見つけるために
必要な情報(SNS、Web、第三機関証明書)を提示している必要がある。
農薬不使用の商品はこちらから⬇⬇⬇